行きつけの美容院のオーナーであるミケイラ(32歳)の店には、いつも中・高齢層の女陛客がいっぱい。
ヘアダイをしている人達ばかりなので、いずれも実齢よりはるかな若さです。
88歳というシニョーラも来ていたっけ。
かなり少なめとなった髪ながら、上品なライトブラウンのヘアカラーを選び、ゆるやかなパーマもかけてもらっていました。
孫のような年齢のミケイラとの会話もなかなか弾んでいました。
「私は旧ユーゴスラビアからの移民でね。国があんなふうになっちやって、悲しいことだよ、本当に」
「あちらにご親族はいるの?」
「いるけど、あんな状態だから、どうなってしまったことやら。もう、何年も会っていないんだよ、親戚の連中には」
「辛いわよね、ああいう内戦は。早くなんとかならないものかしら」
「難しいだろうね、状況がよくなるのは。それに比べ、イタリアはまだまだ平和だよ。なんだかんだあったって、毎日こうやって元気すごしていられるんだから。故郷で暮らしたままだったら美容院へ行くこともできなかったはずだよ」
などと話していました。